2005-05-03から1日間の記事一覧

機械は判断しない

19世紀初頭のイギリスでは、精巧なオートマトンに対して、単なる物珍しさ以上の関心が集まっていました。完成度の高い人形は、東インド会社を通して高値で中国に売り捌くことができたからです。ケンペレンの人形に対してこの国で一歩踏み込んだ研究がなされ…

メルツェルの象棋さし

バベッジが「ゲームをする機械」にこだわるようになった背景には、当時さかんに製造されていたオートマトンと呼ばれる精巧な自動人形たちの存在があります。あたかも生命あるもののように振舞う人形たちの姿は、少年期のバベッジに終生忘れえぬほどのインパ…

バベッジのゲームマシン (1)

コンピュータはゲームマシンとして使うことができる―――この事実に最初に気がついたのは、コンピュータの父チャールズ・バベッジその人でした。彼が解析機関というプログラミング可能な自動計算機を設計していたことは有名ですが、それとは別に解析機関の機構…