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Classic Gameing Expo 2004 講演録音

先月京都でヴィデオゲーム史の重要人物たちが集ったDIEC2005というシンポジウムが開催されました。私は残念ながら足を運ぶことができなかったのですが、わざわざノラン・ブッシュネル氏を招待していながら史学的な収穫はあまりなかったという話で……何をやっ…

Atari Flashback 2 Hacking

先日ついにアタリ・フラッシュバック2.0が発売されました。僅かながら初期不良を抱えた製品があるようですが、全体的な再現精度は上々とのこと。で、さっそく件のカートリッジスロット加工方法が紹介されています。本体にコネクタ内蔵という話でしたが、正確…

Ampexの子供たち

これまでにも何度か述べてきたことですが、アタリ設立者のノラン・ブッシュネル氏とテッド・ダブネイ氏は、もともとアンペックスというヴィデオ機器メーカの研究員でした。そしてまた、アタリ初期に重要な貢献をしたエンジニアたちの大半も、何らかの形でア…

テレビゲームがビデオゲームとも呼ばれるのはなぜ?

―――というご質問を掲示板にていただきました。いわれてみると、ふたつの呼称が並立するようになった歴史的経緯は、まだ筋道立てて説明されたことがないようですね。これは結論からいうと、テレビ/ビデオゲーム機産業の創始者となったふたりの人物、つまりラ…

Atari VCS 完全復活

今月はじめにお伝えしたATARI FLASHBACK 2.0について、たいへん興味深いコメントをいただきました。 # T 『Flashback2.0はいわゆるファミコンチップ使用のまがいものではなく、ちゃんとした2600のハードを内蔵しています。 内蔵ゲームもオリジナルのままなの…

ATARI FLASHBACK 2.0 発売決定

昨年12月に、アタリのプラグ・アンド・プレイ復刻機「7800フラッシュバック・クラシック・ゲームコンソール」がちょっと苦戦気味な様子をお伝えしましたが、結局メインターゲットであるカジュアルゲーマー層にとって移植精度はたいした問題ではなかったらし…

Ballblazer / Rescue on Fractalus プロモーション映像公開

1983年7月。アタリ黄金時代を担った最高責任者レイモンド・カサールは、不法なインサイダー取引を行っていた疑いで米証券取引委員会に提訴されました。アタリの親会社であるワーナー・コミュニケイションズはこれを受けてカサールを解任、フィリップ・モリス…

Burger King Activision Handhelds

キーチェーンによる復刻の話題が、期せずしてもう一件届いています。米のファーストフード大手・バーガーキングが、アクティヴィジョンのアタリVCS作品をモデルにした液晶ゲームを、子供向けランチセット購入者にプレゼントしているそうです。「Grand Prix」…

アタリとアミガの末裔・3DO

3DOのカスタムチップを設計したNTG社が、あのLYNXを手がけたエピックス社の (もっと遡ればアミーガ社の) スタッフたちにより設立されたものだったという事実は、日本では意外なくらい知られていません。しかし今にして思えば、どこからともなく最新鋭の技術…

Atari 2600 on a Chip 商品化へ

今年はじめにお伝えした「ワンチップAtari2600プロジェクトの異変」を覚えておいででしょうか。あのワンチップ2600が何に使われるのか、ついに明らかになりました。 本プロジェクトはRetroGames LLCの所有するところとなりました。これはつまり、近い将来に…

不評の Atari Flashback Game Console

いっぽうアタリの7800フラッシュバック・ゲームコンソールも、C64ダイレクト・トゥ・TVと同時期に発売され、アタリvsコモドールの図式を10年ぶりに再燃させたわけですが―――こちらの評判はどうも芳しくありません。アンフォグラム=アタリは2600/7800のワンチ…

CTIA/GTIA

アタリVCSの発売を目前に控えた1977年夏のある日、グラスヴァレー・チームは、早くも次なる新型機の開発に着手していました。アップルIIを凌駕する高精度オーディオ/ヴィジュアルのゲームパソコン・アタリ800と、表現力はそのままに低価格化を図ったアタリ40…

Jay Miner

グラスヴァレーの設計したVCS試作機は、市販のワンボードマイコンと夥しい数の論理ICを組み合わせて作った、非常にハイコストなものでした。メモリにかかる費用を徹底的に節減する努力も、この回路をうまく簡略化できなければ無駄になってしまいます。できる…

TIA

カートリッジを交換することによりゲームの種類を無限に増やすことができるという、いわゆるマイクロプロセサ方式の時代は、アタリVCSが発売される約1年前に幕を開けていました。その第一波となったのが、フェアチャイルドのヴィデオ・エンタテイメント・シ…

Atari Football

レインズ氏は、ブリストウ氏の抱いていたフットボールゲームのアイデアに共感していたようです。彼はこの実現のためにもう一段改良を重ね、ついに最高16個のスプライト同時表示を達成しました。これで開発に弾みがつき、ブリストウ氏の夢見たゲームは1978年…

Sprint 2

グラスヴァレー・チームはこれ以降アーケードゲームから遠ざかり、家庭用機でのスプライト実用化に心血を注いでいます。アーケード方面での研究を継いだのは、ブリストウ氏とならぶ古株であり、「インディ800」や「スティープルチェイス」を手がけたライル・…

Tank-8

まだアタリを興す前、ノラン・ブッシュネル氏はヴィデオテープを発明したことで知られるアンペックスという会社に勤めていたことがあります。彼はそこでスティーヴン・メイヤーという凄腕エンジニアに出会い、その才能に感銘を受けていました。アタリ設立後…

Steeplechase

アタリがスプライト技術を編み出したのは、1975年頃のことです。この当時、アタリをはじめとする最先端のゲームメーカたちは、画面上で複数のキャラクタを効率的に描画するにはどうすればいいかという課題に頭を悩ませていました。「ポン」ぐらい単純なゲー…

スプライトの起源 (1)

背景グラフィクスの処理とキャラクタグラフィクスの処理をハードウェアレベルで切り離し、あとから合成する―――という、いわゆるハードウェア・スプライト技術の確立は、ヴィデオゲーム史上もっとも重大なブレイクスルーのひとつに数えられます。1980年代のゲ…

アタリの古典がスロットマシンで復活

アメリカのスロットマシン業界でも、日本のようなキャラクタ商売が必要とされているとは知りませんでした。調べてみるとバリー系列からは、すでにベティ・ブープを素材にしたスロットが出ていたのですね。インターナショナル・ゲーム・テクノロジもここ数年…

アタリ・フラッシュバック・クラシック・ゲーム・コンソール 発売決定

欧米のプラグ・アンド・プレイ復刻ブームは、ついに本家アタリブランドを動かすところにまでやってきました。アタリ (旧アンフォグラム) は9月7日付で、アタリ2600および7800の20作品を収録した「アタリ・フラッシュバック・クラシック・ゲーム・コンソール…

オーストラリアの8-bit事情

七年間の歴史を持つオンラインマガジン・『レトロゲーミング・タイムス』で、先月より「コレクティング・イン・オーストラリア」という連載が始まっています。「ふたりの巨人」(THE BIG TWO) と題したその第二回が、1980年代のオーストラリアにおける家庭用…

「アタリショック」観の変遷

「アタリショック」の嘘と誤解の反響が、予想以上に大きくて驚いています。ありがたいことなのですが、任天堂陰謀論みたいに捉えるのだけは勘弁してください。私は任天堂が情報をミスリードしたとは言っていません。少なくとも任天堂が調べ上げた情報がなけ…

「アタリショック」と「ヴィデオゲーム・クラッシュ」

アタリ周辺だけに責任を押しつけるような「アタリショック」史観が、いかに論理薄弱なものか、これでお分かりいただけたと思います。いま日本で信じられているような偏狭な見方は、はたしていつ頃、どのようにして生まれたのでしょうか。鍵は「アタリショッ…

「アタリショック」の嘘と誤解

ありがたいことに一部でご期待いただいているようですが、申し訳ありません、「アタリショック」考の発表までには、あと半年から一年はかかりそうです。というか、これについて実は一年近く綴り続けていて、現在すでに原稿用紙100枚を越える内容になっている…

よりぬきPhillyClassic 5

今年で5回目を迎えたPhillyClassicは、米国でもっとも成功しているクラシックゲーム祭典のひとつです。Classic Gaming Expoが西海岸の代表とすれば、こちらは東海岸の代表ですね。そういうわけで、ブラウンボックス以外にも興味をそそる出展・出品が、今回も…

JAKKS Pacific, Atari Paddle 10-in-1とMs. Pac-Man TV Gamesの詳細を公表

当ページでも先々月に少し触れた、おなじみJAKKS Pacificのコントローラ型ゲーム機 (TV Gamesシリーズ) 新作が、正式にアナウンスされました。「アタリパドル」のほうは「Steeple Chase」「Night Driver」「Demonds to Diamonds」「Street Racer」「Breakout…

君は「E.T.」をどれだけ愛するか (The Fortress of infinitude)

とまあ、貶されるだけ貶された感のある「E.T.」なのですが、実は近年になって、一部でその価値を見直す動きが見られます。いや、見直すというところまでいかなくても、客観的で良心的なフリークたちは、「E.T.」が本当の意味で最悪の駄作ではなかった―――少な…

Atari 2600版「E.T.」の使い方101選 (The Atari Times)

「Atari VCS史上最悪のゲームを選べ」といわれれば、多くのVCSフリークたちが迷わず挙げる一本。それがアタリの「E.T.」です。悪名の高さでいえば、ほとんどファミコンにおける「たけしの挑戦状」クラスといっていい存在です。「E.T.」はアタリの親会社ワー…

二代目ワンチップ2600

アタリ通の人ならご存知でしょうが、Atari VCSのゲームを127本内蔵した「TV BOY」というコントローラ型ゲーム機が、1994年頃から日本でも出回っていました。そう、あれも実は、VCSの機能をワンチップに集約することで実現したものなのです。もっとも「TV BOY…