ジャレコが個人開発のファミコンエミュレータを無断使用

ジャレコが五月に発売した、ゲームボーイアドバンス用の新作「じゃじゃ丸Jr.伝承記」には、「ジャレコレもあり候」というサブタイトルが示すように、往年のファミコンゲーム五本 (「忍者じゃじゃ丸くん」「じゃじゃ丸の大冒険」「エクセリオン」「シティコネクション」「フォーメーションZ」) がカップリングされています。いずれも「ファミコンミニ」シリーズと同様、再現にはエミュレータを使用しているのですが、どうも動作がGBAファミコンエミュレータPocketNESに酷似しているというので、しばらく前から物議を醸していました。

その後エミュレータ開発側による調査により、やはりソースが無断使用されていたことが明らかになりました。しかしもともと「ソースは好きに使っていい」と明言していたため、ジャレコに責を問うのは妥当ではないとの結論が下されています (厳密にいうと一部はGPLだったのですが、その部分はジャレコも使用していません。確信犯だなあ)。以下は原作者であるloopy氏のコメントです。


もともとはパブリックドメインとしての利用を想定してフリーライセンスにしたのであって (中略)、やっぱりジャレコからは一言欲しかったけど、そのことで夜も眠れなくなるほど気を揉むつもりもないよ。別に誰かに褒めてほしくてPocketNESを書いたわけじゃないからね。みんながオールド・ゲームで楽しめるようにと思って書いた。そしていままさに、それが起きている。任務完了だよ。
エミュレータ開発者がここまで譲歩するのは大変珍しいと思います。彼の意向がはっきりと示されたことにより、PocketNESの商用利用を妨げる要因はなくなりました。「ファミコンミニ」人気の風潮を受けて、今後ほかにもPocketNESを使用しようというメーカーが現れるかもしれませんね。