旧世代AmigaOS, 携帯機器に進出か

私の渡英中 (3~4月) に起きたもっとも注目すべき事件のひとつは、クラシックAmigaOSの権利がKMOSの手に渡ったことでした。KMOSはどうもアミーガInc.から派生した通信アプリケーション開発企業のようなのですが、旧世代の資産だけを引き継いで一体何をやるつもりなのか、謎に包まれていました。しかし、そのCEOであるゲイリー・ヘア氏が、先日開催されたAmiwest 2004で、ついにその秘めた野望を明らかにしています。なんとクラシックAmigaOSを携帯機器用OSとして復権させるというのです。

実はこの発表と同時に、KMOSはアミーガInc.そのものも買収したことを明らかにしています。アミーガInc.はすでにモバイルをも視野に入れた次世代Amigaとして、Amiga DEの開発を進めているわけですが、KMOSはこれはこれとして、旧来のAmigaOSにもまた携帯機などで活用するべき利点があると判断したようです。

KMOSは、インターネット家電時代に最適なOSを捜し求めていった結果、クラシックAmigaOSに辿りついたと述べています。彼らにいわせれば、その他のあらゆる既存OSは重厚長大すぎるか、さもなくば軽量でも汎用性に乏しいということになるのですが、その点AmigaOSなら軽快・堅牢・拡張性も高いうえ、十分な信頼性と大きな開発者コミュニティがあるというわけです。なるほど一理ありますが、実際にどのような形で過去の資産を継承していくのかについては言及されていません。

すでに家電用LinuxTRON, そしてSymbianが台頭しはじめている現状で、はたしてKMOSの理想がどこまで通用するのかは分かりませんが、考えようによっては次世代AmigaOSなどよりも将来性のあるプロジェクトといえるのかもしれません。枯れた8-bit/16-bitテクノロジと信頼性本位の実用電化製品は、たしかに相性悪くありませんからね。

from amiga.org

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