スプライトの起源 (3)

インテルが世界最初のスプライトチップ・8244を完成させた頃、アタリは新型家庭用ヴィデオゲーム機・VCSの開発に着手していました。その最初の試作機をアタリのグラスヴァレー・チームが完成させたのは、1975年終わり頃のことです。時期的にはアーケードの「タンク8」とほぼ同じ頃合に開発されていたことになりますが、両者のスプライトの採用事情はまったく異なります。アーケード機におけるスプライトが「より多くの移動キャラクタを効果的に表示するための手段」だったのに対し、家庭用機のスプライトは「高価なメモリを極力グラフィクスに割かないで済むようにする工夫」でした。前回のインテル編でも似たような話を少し書きましたが、アタリの事情はヴィデオゲーム専門メーカならではのものだったといえます。