FREAX

スコット氏の労作も、さすがにヨーロッパのデモシーンまでは守備範囲外だったようですが、間もなくデモシーン関連でも興味深い歴史書が出版されるので、ついでにご紹介。こちらはハンガリーのデモシーンアーティストにしてジャーナリストでもあるタマーシュ・ポルガール氏執筆の「FREAX」です。内容の充実ぶりは現在閲覧できるサンプル記事からも十分に嗅ぎ取ることができて、ここではドイツにおける最初のクラッカーグループ・JEDIの誕生から、クラッカーが子供たちの憧れの的になるまでの経緯が丁寧に解説されています。これはきっと、クラッキングがいかにデモ文化へと発展したのかを知る上で、必読の書となることでしょう。目次に目を通してみると、定番C64/アミーガ/PCシーンだけでなく、無視されがちなアメリカのデモシーンや、マッキントッシュ、ZXスペクトラム、アタリといった小規模ながら個性的なシーンにもしっかり頁を割いているようなので、そのあたりにも好感が持てます。予価30ユーロ程度。発売日は不明ですが、現在印刷待ちの段階とのことなので、近いうちに購入可能になるのではないかと思います。