Incredible Technologies

インクレディブル・テクノロジーズは、アタリやミッドウェイが撤退したいま、アメリカにおける最古参かつ最大手のアーケードヴィデオゲームメーカーとして君臨している企業です。とはいっても事業規模はそれほど大きくなく (従業員100名程度)、日本で知られているタイトルといえば悪名高い「ストリートファイター・ザ・ムービー」くらいですが、10年以上にわたって人気を誇る看板シリーズ「ゴールデン・ティー・ゴルフ」は、ご当地では馬鹿にできないブランドとなっています。

インクレディブル・テクノロジーズ (初期の社名はフリー・ラジカル) が旗揚げしたのは1985年のことでした。アメリカのアーケード産業が空前の不況に喘ぎ、多数の企業が撤退したり倒産したりしていた時期です。生き残ったアタリやミッドウェイでさえ事業の見直しを余儀なくされており、アタリは結局アーケード部門をナムコに売り渡します。バリー・ミッドウェイもまた、デイヴ・ナッチング・アソシエイツ (DNA) やマーヴイン・グラス・アソシエイツ (MGA) といった専属の下請けメーカーを遠ざけていきました。MGAでヴィデオゲーム開発に携わっていたエレイン・ホジソン氏とリチャード・ディトン氏は、そんな渦中にもアミューズメント産業に残り続ける道を探っていた人々で、その結果としてインクレディブル・テクノロジーズの設立に至ったのです。