MSX用のさまざまな同人ハードウェアを開発・販売しているスペインのLeonardo Padial Electronics (LPE) が、MicroATXケースに収納可能なMSX2+互換基板開発をスタートしました。これまで試行錯誤を重ねていたEMSXをコンパクト化しつつ、さらに一歩前進させたもので、MSX Resource Centerの記事によると、以下のような仕様を予定しているそうです。
- 3.5MHzから50MHzまでで動作可能なZ80プロセサ
- V9958 VDP
- 512kB RAM, 128kB VRAM, 512kB FLASHメモリ
- RTC (リアルタイムクロック)
- PS/2キーボード接続可能
- Joystickポート
- 双方向EPPプリンタポート
- カートリッジスロット
100%互換を謳ってはいるものの、いまのところPSGはあえて搭載しない方針のようです。LPEは一方で
PSG/SCC/FM (OPLL) 搭載のMSX用新音源カードを販売してもいる (現在は休止中っぽいですが) ので、
サウンドはこれに任せて、メイン基板はとにかく低コストに抑えようということなのでしょう。
サウンドをあえて完全互換にしないところも含めて、この設計思想はロシアのZX
スペクトラム互換機・
Sprinterにかなり近いものといえます。これは私の知る限り、まがりなりにも商業ベースに乗っている唯一の現行8-bit互換パソコンです。それだけにeMSX2++は、
CIEL 3++や
MSX Phoenix Projectのような、一向に進展する様子のない他の
MSX互換機プロジェクトよりは、よほど有望といえるのではないでしょうか。もちろん
MSXである以上、実機と100%同じ
BIOSを使うことができないというネックが、どこまでも付き纏います。そこが
スペクトラムとは決定的に違うので、今のままでは思うようには普及させられないでしょうけどね。