2004-10-01から1ヶ月間の記事一覧

コンピュータ博物館一式がオークションに出品中

二週間ほど前にebay史上最大のコンシューマ機オークションなんていう話題をお伝えしました。あれで古パソコン補完計画のオークションを思い出されたかたもいらっしゃると思いますが、今度はまさにそのもの。本当にコンピュータ博物館まるまる一式のオークシ…

ソ連の独自コンピュータ技術の衰退

先日の「プロジェクト・オーガス」に続いて、再び航天機構より。サイバネティクス弾圧期以降の紆余曲折が詳しく語られています。ソ連のIBM360クローンはリバースエンジニアリングで生み出されたものだと思い込んでいたのですが、実は背後に英独企業の姿があ…

Magnavox Odyssey3

ヨーロッパで2637Nのゲームシステムが出回りはじめた頃、マグナヴォックスもまた、ポストVCSの座を狙った新鋭機・オデッセイ3の開発を進めていました。マグナヴォックスは再びインテルにグラフィクスチップの開発を依頼しようと考えていたようですが、インテ…

フィリップス・ヨーロッパのヴィデオゲーム市場戦略

それにしても、フィリップス・ヨーロッパ自身はなぜ2636Nや2737Nをベースにしたゲーム機の完成品を発売しなかったのでしょうか。アルカディア2001研究の第一人者であるウォード・シュレイク氏は、フィリップスは2737Nベースのゲームシステムを幅広くライセン…

Emerson Arcadia 2001

ヨーロッパにおける2636Nマシンの活況を受けて、シグネティクスは2636Nの上位チップ開発に着手しました。次世代チップは遅くとも1980年までには完成しており、2637Nという型番を授かっています (通称はUVI。Universal Video Interfaceの略でしょうか?)。2637…

Interton VC-4000 / Radofin 1292 PVS

8244はオデッセイ2で使用されたのを最後に、ヴィデオゲームの世界から消えていきました。インテル自身も、これ以降ヴィデオゲーム用チップは開発していません。16枚同時処理という、時代を考えれば驚異的なそのスプライト技術も、結局後の世に受け継がれるこ…

Odyssey2

スプライト技術を導入した最初のヴィデオゲームがアタリの「タンク8」(1976) だったことは間違いありません。しかし半導体レベルで話をするなら、先に製品化に漕ぎ着けていたのはインテルだったことになります。彼らがスプライト機能を持つヴィデオチップ・8…

スプライトの起源 (2)

第一回では、アタリがいかにしてスプライト技術を完成させ、敷衍させるに至ったかを解説しました。アタリが存在しなければ、あれほどの勢いでスプライト技術が発展・普及することはなかったでしょう。しかし実をいうと、そのアタリも唯一無二の発明者だった…

[10/30]アルカディア2001について加筆。 [10/29]スクリーンショットによる解説を加筆。 [10/28]VC-4000/1292 PVSに関する記述を大幅に訂正。

プロジェクト・オーガス

net

ソ連製コンピュータの歴史に関する情報は英語ですら乏しいのが現状で、ましてや日本語の史料などほとんど皆無に等しかったわけですが、最近になってついに日本にも、その方面の歴史を精力的に掘り下げているかたが現れました。水城徹氏です。旧ソヴィエト連…

その後の Dave Nutting & Associates

バリーが家庭用ゲーム/コンピュータビジネスから撤退したあと、DNAの面々は再びアーケード方面に戻っています。前出のアーケード作品は、その頃に開発されたものでした。彼らの手がけた作品では、「GORF」や「ウィザード・オブ・ウォー」のほか、ミッドウェ…

Professional Arcade

バリーは1977年までに家庭用コンピュータ/ヴィデオケーム市場へと進出することを決意し、DNAチームはこの開発を担当することになりました。これがプロフェッショナル・アーケードとなるわけです。その設計思想は、最大のライバル機といえるアタリVCSとは対称…

Midway 8080 System

DNAは翌年バリーに吸収され、完全にそのシンクタンクとして機能するようになりました。これによりミッドウェイはアタリにも劣らぬ最先端ヴィデオゲーム技術の担い手として、大きく飛躍することになります。「ガンファイト」を手がけたデイヴ氏とトム・マクヒ…

ふたりのNutting

プロフェッショナル・アーケードのハードウェアは、1970年代のバリー/ミッドウェイを影で支えたデイヴ・ナッチング・アソシエイツ (DNA) 社の、高度なマイクロプロセサ技術の結晶とも呼べるものです。社名でお気づきかと思いますが、このDNAというのは、最初…

Astrocade On A Chip

日本では「ワンチップMSX基板がついに完成か」なんていう話題が出ていますが、いっぽう海の向こうではバリー・プロフェッショナル・アーケード (バリー・コンピュータ・システム/アストロケード) のワンチップ化計画が大詰めを迎えつつあります。コモドールV…

Nintendo 3-in-1 Arcade 登場

「ドンキーコング」「ドンキーコングJr.」「マリオブラザーズ」といった任天堂のアーケードヒット三作品がセットになって、アーケードに復活します。筐体まで含めて非常に高い再現性だという話ですが、「ドンキーコング」シリーズはモニタが縦、「マリオブラ…

Atari Football

レインズ氏は、ブリストウ氏の抱いていたフットボールゲームのアイデアに共感していたようです。彼はこの実現のためにもう一段改良を重ね、ついに最高16個のスプライト同時表示を達成しました。これで開発に弾みがつき、ブリストウ氏の夢見たゲームは1978年…

Sprint 2

グラスヴァレー・チームはこれ以降アーケードゲームから遠ざかり、家庭用機でのスプライト実用化に心血を注いでいます。アーケード方面での研究を継いだのは、ブリストウ氏とならぶ古株であり、「インディ800」や「スティープルチェイス」を手がけたライル・…

Tank-8

まだアタリを興す前、ノラン・ブッシュネル氏はヴィデオテープを発明したことで知られるアンペックスという会社に勤めていたことがあります。彼はそこでスティーヴン・メイヤーという凄腕エンジニアに出会い、その才能に感銘を受けていました。アタリ設立後…

Steeplechase

アタリがスプライト技術を編み出したのは、1975年頃のことです。この当時、アタリをはじめとする最先端のゲームメーカたちは、画面上で複数のキャラクタを効率的に描画するにはどうすればいいかという課題に頭を悩ませていました。「ポン」ぐらい単純なゲー…

スプライトの起源 (1)

背景グラフィクスの処理とキャラクタグラフィクスの処理をハードウェアレベルで切り離し、あとから合成する―――という、いわゆるハードウェア・スプライト技術の確立は、ヴィデオゲーム史上もっとも重大なブレイクスルーのひとつに数えられます。1980年代のゲ…

ebay史上最大のコンシューマ機オークション

ゲーム1300本に本体300台。内訳はアタリ2600が42台、NESが78台、SNESが60台、ジェネシス42台、プレイステーション37台…。115,00ドルで終了しています。from slashdot

Dreamcast On A Chip?

当雑記が通常扱う範囲からは外れますが、ゲーム機のワンチップ化テクノロジもここまで来たかという目安として、ちょっとご紹介させていただきましょう。「ワンチップドリームキャスト」と噂される新チップの名前はSH3707。開発元は日本のルネサス・テクノロ…