Sprint 2

グラスヴァレー・チームはこれ以降アーケードゲームから遠ざかり、家庭用機でのスプライト実用化に心血を注いでいます。アーケード方面での研究を継いだのは、ブリストウ氏とならぶ古株であり、「インディ800」や「スティープルチェイス」を手がけたライル・レインズ氏です。彼はグラスヴァレーの技術をさらに発展させ、まず複数のスプライトキャラクタを重ね合わせて表示できるようにしました。この成果は「タンク8」と同じ年にリリースされた「スプリント2」に現れています。「スプリント2」は、マイクロプロセサとスプライト技術で「インディ800」を再構成したような作品で、いわゆるアタリフォントを用いた最初のゲームでもありました。以降スプライトを使用するアタリのゲームは、たいていこの系統のフォントを用いていますから、アタリフォントはスプライト技術の象徴的存在ともいえるでしょう。