2004-12-01から1ヶ月間の記事一覧

Tulip Computers, Commodoreブランドを売却

暮れも差し迫ったこの時期に、大きなニュースが飛び込んできました。コモドール・リバイバルを本格的に始動した矢先のオランダ・チューリップ・コンピューターズが、ヤーロニモ・メディア・ヴェンチャー・インクにその全権利を売り渡したそうです。ヤーロニ…

アタリとアミガの末裔・3DO

3DOのカスタムチップを設計したNTG社が、あのLYNXを手がけたエピックス社の (もっと遡ればアミーガ社の) スタッフたちにより設立されたものだったという事実は、日本では意外なくらい知られていません。しかし今にして思えば、どこからともなく最新鋭の技術…

MSX3と3DOにまつわる噂の真相

msx

先日まとめたテキサス・インストゥルメンツ系VDPの系譜に、ヤマハのV9990というチップが登場しました。幻のMSX3規格を担うはずだったにも関わらず、完成が遅れたため規格ともども採用を見送られることになったという、いわくつきの一品です (詳しくは「MSX t…

ワンチップ化達成機種一覧

いよいよワンチップ化による旧世代機再現ムーブメントが多方面で活性化してきたわけですが、現時点までにどういった機種がワンチップ化を達成してきたかを、このあたりで振り返ってみるのも一興かもしれません。 オリジナル発売年機種チップ名ワンチップ化開…

Atari 2600 on a Chip 商品化へ

今年はじめにお伝えした「ワンチップAtari2600プロジェクトの異変」を覚えておいででしょうか。あのワンチップ2600が何に使われるのか、ついに明らかになりました。 本プロジェクトはRetroGames LLCの所有するところとなりました。これはつまり、近い将来に…

Majesco Konami TV Arcadeも不評

マジェスコはアタリやコモドール (チューリップ) とならんで、プラグ・アンド・プレイ方面では最後発組にあたります。その「フロッガー・TVアーケード」と「コナミ・TVアーケード」は、どちらも10月頃に発売となったようですが、こちらもかなり悪評が高まっ…

不評の Atari Flashback Game Console

いっぽうアタリの7800フラッシュバック・ゲームコンソールも、C64ダイレクト・トゥ・TVと同時期に発売され、アタリvsコモドールの図式を10年ぶりに再燃させたわけですが―――こちらの評判はどうも芳しくありません。アンフォグラム=アタリは2600/7800のワンチ…

ワンチップ版コモドール64 密かにお目見え

先月ついにC64ダイレクト・トゥ・TVが発売されましたが、これが実質的にコモドール64をワンチップ化したものであること判明しました。コモドール64互換機・C-Oneの開発者であるジェリ・エルスワース女史が、アイアンストン社 (公式コモドール64リバイバルの…

終わりに

予期していた以上に長く複雑な連載企画になってしまいましたが、スプライト史の話はとりあえずここまでにしたいと思います。「日本のスプライト史にも言及してほしい」というお声もいただきましたが、ファミリーコンピュータ登場以前の国産機でスプライト機…

VIC-II (MOS 6567/6569)

ファミリーコンピュータ登場以前のスプライト史で、もうひとつ忘れてはいけないのが、コモドール64の存在です。コモドールは傘下にMOSテクノロジという個性的な半導体メーカを抱えていました。ヴィデオゲーム方面にはさほど熱心な会社ではなかったのですが、…

VDPの系譜

テキサス・インストゥルメンツのVDPには、RGB対応タイプのTMS9928A/9929Aや、大容量DRAM対応タイプのTMS9118/9128/9129など、いくつかの細かなリヴジョンがありますが、大幅に機能強化されることはないまま終わりました。ですがグッタグ氏の談話によると、テ…

VDP (TMS9918)

半導体大手テキサス・インストゥルメンツもまた、アタリ400/800とほぼ同時期に、よく似たコンセプトでホームコンピュータを開発していました。その名をTI-99/4といいます。玩具大手であるミルトン・ブラッドレイと共同で手がけただけあって、ゲームマシンと…

CTIA/GTIA

アタリVCSの発売を目前に控えた1977年夏のある日、グラスヴァレー・チームは、早くも次なる新型機の開発に着手していました。アップルIIを凌駕する高精度オーディオ/ヴィジュアルのゲームパソコン・アタリ800と、表現力はそのままに低価格化を図ったアタリ40…

スプライトの起源 (4)

前回までに取り上げたスプライトチップたちは、いずれもヴィデオゲーム機のために開発されたものでした。しかしその後、競争の舞台はホームコンピュータの世界に移っていきます。アップルIIの成功により、ホームコンピュータが高級ゲーム機としても注目され…

[2005/11/19] 新資料に基づき加筆

ソ連のネットワーク対応MSX

msx

航天機構より。そういえば教育を主眼に置いたソ連製スペクトラム互換機・ホビットもネットワーク機構を備えていましたね。あるいはこのネットワークMSXに対抗しようとしていたのかもしれません。ソ連の教育用MSXがヤマハのYISシリーズでなければならなかった…

STIC (AY-3-8900)

アタリが急速に弱体化することになった要因はいくつかあるのですが、もっとも大きかったのは、怒涛のごとくヴィデオゲーム市場に台頭してきた半導体メーカたちの存在でした。なかでもとりわけ巨大な勢力となったのがジェネラル・インストゥルメントです。彼…

Jay Miner

グラスヴァレーの設計したVCS試作機は、市販のワンボードマイコンと夥しい数の論理ICを組み合わせて作った、非常にハイコストなものでした。メモリにかかる費用を徹底的に節減する努力も、この回路をうまく簡略化できなければ無駄になってしまいます。できる…

TIA

カートリッジを交換することによりゲームの種類を無限に増やすことができるという、いわゆるマイクロプロセサ方式の時代は、アタリVCSが発売される約1年前に幕を開けていました。その第一波となったのが、フェアチャイルドのヴィデオ・エンタテイメント・シ…

スプライトの起源 (3)

インテルが世界最初のスプライトチップ・8244を完成させた頃、アタリは新型家庭用ヴィデオゲーム機・VCSの開発に着手していました。その最初の試作機をアタリのグラスヴァレー・チームが完成させたのは、1975年終わり頃のことです。時期的にはアーケードの「…