All About 光速船 開設
光速船/ヴェクトレクスについて詳細かつ丁寧にまとめた日本語サイトを、okaz氏がオープンされました。豊富な写真によるゲームソフト紹介や、各国版の特徴解説まで、見所たっぷりの内容です。日本でもヴィンテージ層には特に人気の高いゲーム機ですが、ここまで気合いの入った総合情報サイトは、たぶん初めてでしょう。
欲をいえば、オリジナル版ヴェクトレクスの開発経緯にもう少し突っ込んで欲しかったところです。ご存知のうえで端折っているのだとは思いますが、もともとヴェクトレクスはジェネラル・コンシューマ・エレクトリック (GCE) 社が開発したものではなく、ウェスタン・テクノロジ (スミス・エンジニアリング) という会社で考案されたものです。しかも近年の開発関係者インタビュによると、試作型ヴェクトレクス「ミニアーケード」は、1インチというきわめて小さなオシロスコープを使用しており、当初は携帯型ゲーム機を想定していたといいます。位置付けとしては、マイクロヴィジョンの後継機というところだったのでしょう。これも同じくウェスタン・テクノロジが開発したもので、ゲームボーイのご先祖様ともいうべき、プログラム方式の液晶ゲーム機弟一号です。
「ミニアーケード」の企画は、1981年にフィギュア大手であるKenner社に持ち込まれました。このときオシロスコープのサイズを5インチに拡大するよう注文が付き、携帯ハードウェア構想から一歩遠ざかることになるのですが、Kenerによる製品化は結局流れてしまいます。その後ウェスタン・テクノロジはもう一度売り込み先を探し、今度は電卓・液晶ゲームメーカーであるGCEとライセンスを締結。ここで9インチという家庭用テレビに近いサイズのオシロスコープ採用が決まり、我々の知る光速船のデザインに到達します。
ちなみに公式英文FAQには「後年ハンディ機を計画したがゲームボーイの普及により断念」とある、ギャグなんだがマジなんだか区別が付かんねコレ。
これはようするにオリジナルアイデアに回帰しようとしていたわけですね。
余談: 光速船のコインオペ版、私が幼い頃に玩具店で見たものは、本体にコインボックスと土台だったか足だったかが付いているだけという、アーケード筐体にはほど遠いものでした。あれはもしかするとオフィシャルなものではなかったのかなあ。