コンピュータ・クロニクル 映像アーカイブ

VORCのほうにも書きましたが、過去20年間に放映された「コンピュータ・クロニクル」の大半が、ムービーファイルとしてダウンロードできるようになっています。1984年, 1985年, 1986年あたりは質量ともとりわけ充実しているので、8ビット機世代ならどれを見ても面白いと思います (少々英語なんか分からなくても)。なかでも特に観ておきたいのが「日本製コンピュータ特集」。都田克郎氏 (当時工学社「I/O」編集長), 水野幸男氏 (当時NEC常務取締役) そしておなじみ西和彦氏ほかのインタビューを交えつつ、1985年当時の日本の状況を伝えています。

FM7やX1は出てこなかったと思いますが、MSXへの言及はそこそこ長いです。これが放映された1985年4月というと、ちょうど米国にMSXが上陸した頃ですね。あちらでは当時、MSXを契機にしていよいよ日本製パソコンが本格的に米国市場に進出してくるのではないかという懸念がピークに達していたようです (私が少し前に行った、マイケル・トムチュク氏 (元コモドール社長補佐) へのインタビューからも、そのあたりの空気を感じ取ることができると思います)。だからこそこんな特集が組まれることにもなったのでしょうが、MSXの進出失敗が明らかになって以降は、日本への関心が一気に薄れ、1990年代には攻守が逆転。今度は日本がIBM-PC互換機の進出を食い止めなければならない立場になっていくわけです。