ソニーの試作テレビゲーム (197x)

Classic Video Game Station Odysseyより、国内ではじめて家庭用テレビゲーム機を試作したのはソニーだったのかもしれないという、非常に刺激的なお話です。もっともこれは文字通り「テレビを用いるゲーム装置」であって、今日我々の知るデジタルなゲーム機ではなかった可能性が高いようです。せめて開いた状態のカートリッジスロットを見ることができれば、そのあたりもはっきりするのですが―――このスロット、なんだかBetamaxのテープがすっぽり収まりそうに見えるのは気のせいでしょうかね。もしソニーEVRゲームシステムのBetamax版のようなものを構想していたのだとしたら、ヴィデオテープ規格戦争の方向から眺めても面白いかもしれないなあ、などと妄想してしまいます。

このようにテレビゲームを広範囲に捉え直してみると、歴史から抜け落ちているものが意外なほどたくさんあることに気付かされます。私も最近、CRTディスプレイを使ったゲーム装置が第二次大戦直後に早くも構想され、特許を取得していたことを確認して驚きました。じつにこれこそが世界初のヴィデオゲーム特許なのですが、その存在を知る人は海外にもあまりいないようです。発明したご本人は現在95歳。なんとか一度コンタクトを取ってみたいと思ってはいるものの、研究家ともいえない市井の身の悲しさ、私はいまのところ相手にされていません。