SD-050 〜 ヨーロッパの隠れたベストセラーゲーム機

アタリVCSやインテリヴィジョンの上陸が遅れたため、ヨーロッパでは1982年〜1983年ごろまで「ポン」人気が持続していたといわれています。その間にヨーロッパの「ポン」タイプゲーム機は独自に発展を遂げ、PC-50xというカートリッジ規格を生み出しました。そして、これを使用するタイプのゲーム機がヨーロッパ各国に定着し、数年にわたってスタンダードとして人気を博していたのです。

カートリッジ式とはいっても、ゲーム機本体はCPUを内蔵していません。カートリッジそれぞれにGI社のゲームLSIが組み込まれているという、平たくいえばカセットビジョンのような方式になっていました。市場におけるポジションからいっても、日本におけるカセットビジョンによく似た存在だったといえます。PC-50x規格の元になったSD-050は、もともとは香港で生まれたゲーム機だったようですが、後に非常に多くの互換機や海賊版が生み出されたため、このタイプが事実上のヨーロッパ標準になっていったのだそうです。

スウィンドン・コンピュータ博物館は、月曜から土曜まで開館していますが、もし訪れる機会があるようでしたら、できるだけ土曜日の午前中を狙いましょう。このときに限り各種ゲーム機を実際にプレイすることができます。