Ferranti ATLAS テスト用ドキュメント ebayに出品

イギリスのコンピュータ史に詳しい人々はよく、一般的なコンピュータ史があまりにアメリカ偏重で書かれていることに対する不満を口にします。もちろん第二次大戦前後のイギリス人による功績は、アラン・チューリングの登場にはじまりEDSACの完成に至るまで、どなたもよくご存知だと思いますが、問題はその先です。イギリスへの言及はEDSACを境に、ぷっつりなくなってしまうのです。

そこから先はIBMやUNIVACといったアメリカ製商用コンピュータが支える時代である、という認識なのでしょう。まあそれも結果論としては間違いではないのですが、イギリスがいきなり主導的立場を放棄したように見えてしまうのは、ちょっと問題です。イギリス勢はそのあとも、少なくとも1960年代半ばまでは先駆的業績を遺し続けてきました。この語られざる時代に主役を演じたのが、マンチェスタ大学とフェランティ社です。そしてATLASは、彼らの産学連携による最後にして最大の到達点といえるものでした。