ファミコン内蔵のポータブルDVDプレイヤ・PTDVD-768S 発売中

DVD/VCD/CD/MP3を再生でき、さらにファミコンのゲームまで遊べてしまうという大胆不敵な携帯プレイヤが、中国広東省Orbit Electronicsより登場しています。スペックをざっと訳してみると:

  • SHARP製7インチ 16:9 カラーTFT液晶パネル。
  • 超強力耐震メモリ (DVD 3秒、CD/VCD 10秒、MP3 90秒耐震)。
  • 超強力リチウムバッテリ内臓、連続2.5時間演奏可能 (ディスク再生時)。カードリモートコントローラ付き。
  • 自由性の高い巻戻し/早送り。2〜20倍速を選択可能。
  • MPEGIIオーディオ/ビデオのデコードに内蔵DOLBYデコーダを使用。
  • 外部テレビおよびTFT-LCDに接続可能。屋内外でハイクオリティなイメージによるAV鑑賞を実現。
  • 電源アダプタをAC100〜240Vで切り換え可能。
  • テレビ受信機能 (PAL/NTSC対応)。
  • オートシステムAVモニタ。
7インチ液晶なのでサイズは188x141x32(mm)とやや小ぶり。しかしお気づきかとは思いますが、これではファミコンのカートリッジを差す場所がありません。ではどうやってゲームソフトを供給するかというと、CD-RにROMイメージを焼いて、それを読み込ませるという仕組みになっています。だからどちらかというと、エミュレータで走らせているような感覚に近いと思います。この手法は同じくファミコン互換機能を持つようになった、近頃の中国製VCDプレイヤによく見られるもので、OrbitからもGTV968, GTV998の携帯型二機種が出ています。ゲームコントローラ端子は見たところUSB仕様になっているようで、しっかり二本使えそうです。いろいろオンラインショップを見て回ったところ、販売価格は中国で3000元〜4000元程度、英語圏だと700ドル前後でした。

それにしても中国という国は本当にもう、なんでもかんでもワンチップファミコンを載せてしまえという状況に突入しているのですね。「2002年にMSXの1チップ化」、「2003年に1チップMSXを使ったポータブル、ノートPCに加え、携帯電話への搭載、また冷蔵庫など家電への組み込み」と啖呵を切っていた西和彦氏の意気込みは、もたもたしているうちにほとんどワンチップファミコンに食われてしまった感があります。まさかこんな時代になってまでファミコンに出遅れようとは思ってもみなかったことでしょうが…。もちろんそれはいまのところ、任天堂の目を気にしないで済む、中国/東南アジアという特殊な市場の中でだけの話です。しかしよく考えるとファミコン関連の特許って、少なくとも日本ではもう切れているはずなのですよね (だからこそ国内でも堂々とファミコン互換機を売り始めたのでしょうし)。豆粒大のファミコンチップが、中華圏「独自」のテクノロジとして大手を振って日本に上陸してくる日は、そんなに遠くないかもしれません。