タイトー・アーケードとセガ・メガドライブのオールインワンゲーム機 北米で今秋発売

旧世代ゲームをコンパクトに復刻させるムーブメントは、まだまだ盛り上がり続けるようです。すでにお馴染みのJAKKS Pacificや、Intellivision Direct to TV (ワンチップファミコン使用) で後を追ったINTV Corp.に続いて、いよいよハンディゲーム機の雄・Radica Gamesが腰を上げました。

Radicaは二機種を予定していて、うちひとつは「アーケードレジェンズセガジェネシス」。「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」ほかメガドライブのゲーム7本が収録される予定です。ご存知のかたも多いと思いますが、メガドライブはすでにセガ自らの手でワンチップ化されており、北米でMajescoがラインセンス生産していたジェネシス3 (1997) で実用化されています (追記: 当時「BYTE」誌編集に携わっていたエリック・ポバース氏によると、この会社は同じチップで携帯ジェネシスノマドも復活させようと、かなり本気で考えていたそうです。これは採算の都合で挫折したものの、2001年にはゲームギアをワンチップ化して再発売しています。ほかにはサターンの製造権も持っているらしいので、そのうちまた何かやらかしてくれるかもしれませんね)。ワンチップメガドライブこと315-6123の製造ラインはまだ稼動中で、ブラジルでは現在もジェネシス (どころかマスターシステムも!) の生産が続いていますし、セガトイズPICOも近年はこれを搭載しています (つまりFM音源も載っているはずだということですね。多分使用されることはないのでしょうけど)。「アーケードレジェンズ」にも同系統のチップが使用される確率は高いのではないでしょうか。なお価格は29.99ドルとなっています。

もうひとつはタイトーの「スペースインベーダ」「フェニックス」「ルナレスキュー」「コロニー7」「クイックス」を収録した「アーケードレジェンズスペースインベーダーズ」で、24.99ドル。古色蒼然としているぶん、こちらのほうが少しだけ安いですね。この内容ならチップがなんであれ再現は容易でしょうが、RadicaはXaviXで知られる新世代社の技術をいち早く採用してきた会社でもあるので、もしかするとそちら方面からの協力があるのかもしれません。そういえばその新世代社も自ら北米に乗り込み、XaviXを使用したカートリッジ式ゲーム機・XaviX Portを夏頃に発売すると発表しています。アメリカでのオールインワン/ハンディゲーム市場拡大は、復刻だけでなくさまざまな形で表面化しつつありますね。

アプローチは異なりますが、先日登場した「ファミコンミニ」も、こうした海外の「コンパクト復刻」潮流のなかでこそ、より強く求められるものだと思うのです。ところが海外発売の予定は今のところない様子。任天堂にとってはファミコン20周年の記念品以上のものではないのかもしれませんが、どうせやるなら、これをきっかけに新しい市場を切り拓くくらいの覇気を見せて欲しいところです。

(3/2 追記 「アーケードレジェンズセガジェネシス」の本体デザインがアナウンスされました。なんとコントローラ型ではなく「カートリッジの刺さらないメガドライブ」になるようです)

関連: SEGA PICOの分解 (かしまのホームページ)