StarROMs 設立者インタビュー

昨年10月にアーケードゲームROMイメージの合法オンライン販売を突如スタートし、MAME愛好者たちを驚かせたStarROMs。その共同設立者であるフランク・レイブリ氏のインタビューがオンラインマガジン・Performance PCに掲載されました。

現在StarROMsのラインナップは約60本で、料金は一本2〜6ドル。いまのところアタリのタイトルだけを扱っています。まったく無名のこの会社が、どうやってアタリから販売許可を取りつけるに至ったのか謎だったのですが、インタビューではちょうどそのあたりにも触れています。


運が良かったのです。私たちはいいタイミングでアタリに接近することができました。(訳注: アンフォグラム [現アタリ] がアタリの権利を取得した当時に) 彼らはすでに違法ROMの問題を視野に入れ、それに対する戦略を立てようとしていました。それで時間をかけてこの分野のことを勉強し、私たちの言ったことにも耳を傾けてくれたわけです。実際こういうケースでは、業界に充満する「エミュレータ = 違法行為 = 悪」というひどく単純化された考えかたを克服してさえもらえれば、そしてこういうゲームが巨大な関心を集めていながら、その大半は結局違法行為に手を染めないと遊べないという消費者の不満に気づいてさえもらえれば、非常に説得しやすくなるのです。

ROMを合法的にダウンロードする機会を与えることで、アタリは新しい資金の流れを生み出すことになりました。しかしもっと重要なのは、アタリが自分たちの最大にしてもっとも敬虔なファンたちの要求に、喜んで応じているということかもしれませんね。よく考えれば、自分のブランドにもっとも忠実な愛好者ともいえるグループを敵に回そうとしたり、もっと悪い場合には、過去のゲームの権利にはもう関心がないと表明しようとしたり、そんなことをする理由なんてないのです。

しかもですよ、われわれの消費者層は、今日的なヴィデオゲームの大半よりも、人口統計学的にはもっと大きな広がりを見せているのです。もっとも多いのは30代の顧客で、これに40代のユーザーが続き、次いで20代。子供じゃないのです。私たちがお相手させていただいているのは、資金はあるけど今日的なヴィデオゲームは買いたくないという顧客なのですね。

現在もっとも人気のあるタイトルは「アステロイド」で、これに「センチピード」「ミサイルコマンド」「テンペスト」が続いているそうです。なるほどこりゃVCS世代のチョイスですね。30代の次が40代という、日本では考えにくい構図も納得です。ちなみに収益の大部分はアタリに還元されているそうです。

StarROMsでは年内にもアタリ以外のROMを供給していきたい考えですが、残念ながらまだ具体的な交渉は進んでいない様子。2002年に「ネットげーせん」で大コケしてしまったこのへんのタイトルから攻めてみるのはどうですかね。あんまり海外受けするタイトルは多くないですけど。