吉田電子古物商 開店

海外製ヴィンテージ・コンピュータ専門店・吉田電子古物商のオンラインショップが、本日オープンしました。開店直前のお忙しいなか、新宿の事務所に少しお邪魔させていただく機会がありましたので、今日はそのときの様子をお伝えしましょう。

  所狭しと並ぶ往年の名機たち (整理中)
私が訪問した頃、入荷はまだ第一段階で、量的な充実はこれからという感触でした。しかしそれでも、アップルII、アタリ (800系/ST系)、コモドール (VIC-20/64/AMIGA) など、人気機種を一通りそろえた頼もしいラインナップは、大いに好奇心をかきたてるものだったといえます。ソフトや周辺機器にもいろいろと興味深いものが見受けられたので、全体的にはなかなかの壮観でした。というか、これだけ幅広い品揃えは、いまや欧米でもなかなか見られないはずですよ。「商品を実際にご覧になりたい方は合資会社ディーアーツ事務所にてご覧になることができますのでお電話にてご確認の上ご来社ください」とのことなので、東京近郊の旧世代機ファンは必見です。

商品はいずれも手入れが行き届いており、かなりの美品ぞろいでした。なにかと気難しいアミーガたちも、動作チェックは万全な様子。ソフトのほうは、箱・取説完備の獲がたい稀少タイトルから、ディスク+マニュアルのみで提供の手頃な人気作まで、広範に扱っています。ただし、現在商品リストに挙がっているのは、まだ在庫の1/3程度。これからさらに面白いものが出てくるはずですよ。

チップチューンファン垂涎のSX-64。
マジックボイスカートリッジで喋る
「GORF」が動作中。
ティーヴ・ウォズニアクのサイン入りアップルII GS。
近年はずいぶん手頃な価格に落ち着いてきたようです。
「こういうものは単にコレクションとして置いておくのではなく、やはり実際に活用してもらいたい」とは代表・吉田宣幸氏の談。そんなわけで、タンディやTIといった活用する余地の少ないマシンたちは、いまのところ入荷予定に入っていないそうです。ただし「希望があれば検討します」というお話でしたので、お探しものがあるかたは、「この商品を入れてほしい!! 」投票フォームからお願いしてみるといいでしょう。なお、ヨーロッパ (PAL) 製品や、アタリVCSをはじめとするゲーム専用機の取り扱いは、考えていないとのことでした。

吉田氏はヴィンテージ・シンセサイザについてもかなりの知識をお持ちで、「今後はとくに音楽系のソフトや周辺機器を充実させていきたい」とも語っておられました。これはチップチューンフリークやアタリ愛好者にとっては朗報ですね。日本では手にすることさえ難しかったSIDやPOKEYのサウンドが、これで一歩身近な存在になりそうです。

それにしても、いまや旧世代パソコンを扱う店舗はめっきり減ってしまいました。国内の海外機専門店としては、もはやOld Apple WorldVintage Computer LLCが最後の生き残りという状況だったように思います。そんななか8-bit機の人気が再燃しようとしているのは、なんとも皮肉な話ですが、吉田氏ご夫妻には、このご時世を追い風に、末長く頑張っていただきたいものですね。