近くて遠いレトロとカジュアル

カジュアルゲームというのは、webブラウザでのプレイもしくはシェアウェア販売を主体とする、お手軽インディゲームの総称です。日本でいえばYahoo!ゲームVector販売のミニゲームなどが分かりやすい例といえるでしょうか。その単純明快なゲームデザインには、しばしばレトロゲームとの類似性が指摘されるわけですが、両者のマーケットは現状ではそれほど重複していません。カジュアル市場にはまだごく一部の定番ゲーム以外、レトロタイトルは投入されていませんし、レトロゲームプレイヤたちはなまじ目が肥えているだけに、あまり積極的にカジュアルゲームを評価しない傾向があります。だからレトロリバイバル専門にやってきたウルトラケード・テクノロジにとって、カジュアルゲーム「フィーディング・フレンジ」をアーケードでプロデュースするという試みは、ひとつの賭けだったはずなのです。これが成功しつつある状況は、今後レトロとカジュアルの関係に一石を投じるかもしれません。