カジュアルゲームと日本

カジュアルゲーム市場の成長は2007年頃まで続くだろうという見方がいまのところ有力ですが、日本市場の将来性は不透明であるといわざるをえません。webプレイモデルに関してはいまのところハンゲームの一人勝ち状態で、Yahoo!ゲームをはじめとする国内勢は軒並み元気がありません。ただしIGDAの白書によると、日本のカジュアルゲーム市場はいまのところ12歳以下の占める割合が大きいそうですから、今後中年層にどうアピールするかが鍵になるかもしれません。

ダウンロード販売モデルの先行きは、そうとう厳しいものになるでしょう。今年5月に日本でもRealArcadeがスタートしましたが、よほど魅力的なラインナップを用意しない限り、海外と同様の巨大市場を形成することはいちじるしく困難だと思われます。いうまでもなく、日本におけるシェアウェアゲームへの関心は伝統的にきわめて薄く、相対的にフリーウェアゲームが質量ともにかなりの充実ぶりを見せているからです。カジュアルゲームディストリビュータコミケ流通の同人ゲームまで取り込みはじめるか、あるいはフリーウェアプログラマの青田刈りにでも走らない限り、この構図は当面崩れないでしょう。そのうえ日本にはクレジットカード利用率が極端に低いという現実もありますから、明るい見通しが立つはずもありません。

こういう困難を押しのけて、この新興市場が日本でも育っていくのか。それとも日本だけはフリーゲーム文化の高度な独自性を発展させていくのか。レトロムーブメントへの影響とあわせて、今後の動向に注目したいところです。

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