ついに発見、Dance Mat 3

「ガジェットショップ」は一連の商品だけでは飽き足らず、なんと自社ブランドでもプラグ・アンド・プレイ方式のゲーム機を製造しています。それがこの「ダンスマット3」です。画面を見てあっと驚きました。

これはまぎれもなく、ワンチップファミコン版「ダンスダンスレヴォリューション」こと跳舞毯ではないですか。まさかイギリスに上陸しているとは思ってもみませんでした。もちろん収録曲はイギリス人向けに調整されていて、ラインナップは以下のようになっています。

  • Destiny's Child "Independent Woman (Part 1)"
  • Kulay "Burn"
  • Toto "Africa"
  • Coco Lee "Didadi"
  • Coast 2 Coast "Suavemente"
  • El Sapo "La Bomba"
  • A-ha "Take On Me"
  • Marc Anthony "I need to know"
  • Erasure "Reach Out"
  • Yazoo "Only You"
有名曲が無節操に放り込まれているような印象がありますが、実はどのアーティストにもソニーが絡んでいるという共通点があります。なんとこれ、ソニーから正式にライセンスが供与されている商品なのですよ。

しかしそこまで権利をクリアしておきながら、よせばいいのに余計なものを付け足してしまって、結局胡散臭く仕上がってしまっているのは、どうしたものでしょうね。製品名が「ダンスマット3」となっているのを不思議に思われたかたもいると思いますが、別に過去「1」や「2」があったわけではないのです。これは単に三本ゲームが入っているという意味で、その残り二本というのが、これこれ。あらら、しかも後者は権利問題で闇に消えたテンゲン版ですよ。まあさすがに両者とも、クレジットは消されていますけどね。

それにしても、反射神経を要求するこの種のゲームを足でプレイするのは、「ファミリートレーナー」よりもよっぽど大変でした。というか、後者のほうは、足で操作していたのでは回転と移動を同時に行うのがほとんど不可能です。パニックに陥ります。

さて肝心の音楽ですが、特別手の込んだ作りではありません。どこにでもあるストレートなファミコンサウンドです。まあ少なくとも、いまどきのファミコン音楽を知る人には明らかに物足りないものでしょう。そして、基本的に原曲に迫ろうという意気込みは感じられません。「インディペンデント・ウーマン」あたりなら、サビを聴けばああこの曲かと分かるのですが、「Didadi」などになると譜割の感触から根本的に違っていて、じっくり聴いてもなかなか識別できなかったりします。まあそんなものでも、チップチューンが好きな人なら笑って許せると思いますが…。じつはこれ、一見するとレトロフリーク向けには見えない包装になっていて、困ったことにウェブページにも音質についての言及が一切ありません。別段ファミコンの音になんて興味のない人が、何も知らずに購入してしまったら、さぞかし唖然とすることでしょう。そんなわけで、Amazonなどでは惨々に酷評され、昨年秋の発売当初は約8000円の値が付けられていたはずが、今では3000円以下で叩き売られている始末です。


起動画面 

足跡の数で難易度調整。でも機能していない?

堂々のコピーライト表示
 

中央の黒い塊で覆われているのがワンチップファミコン
 
麟閣頁さんが紹介なさっている本場中国の「動感2000」 (こちらは本当にファミコン用) とは、画面も選曲もかなり異なります。ワンチップファミコン版跳舞毯にも、いろいろと種類があったのでしょうね。

なお「ガジェットショップ」ホームページには掲載されていませんが、現在は二人同時プレイ可能な新バージョンの「ダンスマット3」も発売中です。こちらは5000円ほどだったでしょうか。音楽のラインナップも若干異なるように見えました。それから問題の「ピンボールゲーム」と「ブロックゲーム」は姿を消し、新たにモグラ叩きゲーム (今度は「ぽっくんモグラー」だったかもしれませんが、画面を失念) が収録されています。