2005-05-01から1ヶ月間の記事一覧

平沢進がAmigaOS 4.0のサウンドを担当

ついに平沢進がアミーガの公式なサウンド担当に選ばれました。ブート時ジングル他2曲が、近々リリース予定のAmigaOS 4.0 CDに収録されるそうです。

Atari VCS 完全復活

今月はじめにお伝えしたATARI FLASHBACK 2.0について、たいへん興味深いコメントをいただきました。 # T 『Flashback2.0はいわゆるファミコンチップ使用のまがいものではなく、ちゃんとした2600のハードを内蔵しています。 内蔵ゲームもオリジナルのままなの…

コモドール・ワン用VIC-20コア 登場

コモドール関連でもう一件。去年の7月に「コモドール・ワンがアムストラッドCPCに変身?」という話題をお届しましたが、同様にC-OneをVIC-20互換機として使用可能にするコアが公開されました。MikeJ氏のワンチップVIC-20を応用したものということです。しかし…

Commodore 64公式エミュレータ 登場

チューリップ・コンピュータによる商標取得以来、今かいまかと言われ続けてきた公式コモドール64エミュレータが、ついに登場しました。PocketPC版は少し前から利用可能になっていたようですが、現在はWindows版も用意されています。価格はともに$24.95。エミ…

その後のコンピュータゲーム発展史

バベッジのチク・タク・ツー・マシン構想は、かくしてヴィデオゲーム時代の幕開けにまで連綿と受け継がれたわけですが、では彼の本来の夢、すなわちチェスをプレイするコンピュータは、結局いつ頃実現したのでしょうか? 簡単にその足取りを追って、締め括り…

コンピュータ・ビデオゲームの誕生

ストレイチイのドラフトと同じ1952年に、EDSACにもコンピュータゲームが登場しました。こちらはアレクサンダ・シャフト・ダグラスという大学院生の手がけたチク・タク・ツー・プログラムです。プログラミング環境整備の重要性にどこよりも早く気付いていたケ…

ストレイチイの再挑戦

プリンツがチェス研究を終えようとしていた頃、ストレイチイはマンチェスタ大学を訪れていました。彼は旧友のチューリングと彼のプログラマーズハンドブックに励まされながら、マークIでもう一度ドラフトにチャレンジしようと決心します。移植と改良は驚くほ…

ケヴェドを超えて

それから少し遅れて、マンチェスタ大学でもゲームプログラミングへの挑戦が始まりました。マンチェスタ大学のマークIは、実用化こそBINACやEDSACに少し遅れを取ったものの、試作機 (Baby) まで含めれば世界で最初に動作した現代型コンピュータです。同大学で…

ホビー・プログラミングの曙

ストレイチイはもともと通信工学に精通した技術者であり、戦時中は真空管の研究に携わっていました。それが縁でアナログコンピュータに興味を持ったりもしていたのですが、戦後は一線を退いて教職に就き、コンピュータとは無縁の生活を送っていました。彼に…

甦るチク・タク・ツー・マシン

実際に動作したことが確認できる最古のゲームプログラムは、意外なことに、死んだかに思われていたACEプロジェクトから生まれました。実はチューリングが去ったあとも、プロジェクトは少しずつ前進していたのです。そして1950年5月には、遅まきながら試作機…

バベッジのゲームマシン (5)

「機械にチェスをプレイさせてみたい」という研究者たちの願望は、ハードウェアの完成前にチェスプログラミングの方法論が確立されるという、一種異様な事態を生み出しました (前回参照)。しかしこのようなソフト先行の時代は、それほど長くは続きません。ち…

2015.11.15 ストレイチイのドラフトについて追記しました。

CAISSAC

おそらく「サイバネティクス」を刊行した直後あたりに、ウィーナはケヴェドの業績を発見しました。今から30年以上も前に、部分的とはいえチェスをプレイする機械が実在していたという事実は、研究者たちを多かれ少なかれ驚かせ、そして勇気づけたことでしょ…

ハンド・シミュレーション

ちょうどその頃アメリカで、チェスマシン研究に重要な転機をもたらすことになる、一冊の書物が出版されました。ノーバート・ウィーナの著した「サイバネティクス」です。同名の学問を確立したことで有名なこの大著のなかで、ウィーナはチェスをプレイする機…

ハードウェアなきチェスプログラミング

第二次世界大戦中から終戦直後にかけて、興味深い現象が起こっています。まだ今日的な意味でのコンピュータが誕生していないにも関わらず、チェスをプレイするためのプログラムがいくつか考案されているのです。先陣を切ったのは、プログラム制御の汎用計算…

バベッジのゲームマシン (4)

ニューヨーク万博で話題をふりまいたニモトロン (前回参照) は、人間と互角以上の「知性」を見せた最初の機械でした。しかしこれがバベッジの思い描いたゲームマシンだったといえるでしょうか? ニモトロンは、あまりにもニムというゲームに特殊化しすぎてい…

Nimotron

ゲーム専用コンピュータ開発の動きは、アヘドレシスタ以来長く途絶えていました。次なる成果が現れるのは、第二次世界大戦直前の1939年に開催されたニューヨーク万博においてです。このイベントにはニムをプレイする機械が登場しました。その名はニモトロン…

Ernst Zermelo のチェス定理

話は少し逸れますが、アヘドレシスタが披露された翌年には、「チェスには先手必勝か、後手必勝か、必ず引き分けになる戦略が存在する」ことを証明した、エルネスト・ツェルメロのゲーム定理も発表されています。ツェルメロはチェスのプロブレムが数学的に検…

Ajedrecista

Ajedrecista (初代). 実物は現在もマドリードの高速道路・運河・港湾エンジニア協会に可動状態で保存されているという。写真は "From Analytical Engine to Electronic Digital Computer: The Contributions of Ludgate, Torres, and Bush" (Brian Randell,…

Leonardo Torres y Quevedo

いっぽう20世紀初頭には、解析機関の具現化にチャレンジする人々も、何人か現れていました。バベッジの実子である退役軍人ヘンリーや、アイルランドの会計士ルドゲイトなどです。そのなかでただ一人、バベッジのゲーム研究にもスポットを当てたのが、スペイ…

バベッジのゲームマシン (3)

バベッジのゲーム研究 (前回参照) に追随しようという動きは、彼の死後何十年ものあいだ不在でした。その間「ターク」の焼き直しのような人形がいくつか作られているくらいですから、時代は停滞するどころか、むしろ逆方向に進んでいたといったほうが適切か…

オートマトン時代の終焉

バベッジの当初の目標は、むろん機械にチェスをプレイさせることでした。しかしミニマックス法でチェスをプレイする場合には、膨大なメモリが必要となります。フルスペックでも1000個の数値 (10進数50桁) しか記憶できなかったとされる解析機関は、明らかに…

解析機関

バベッジは階差機関の挫折と前後して、プログラム方式を採用した次世代の自動計算機、すなわち解析機関の設計に着手しています。そのパーツを一通りデザインし終えたあと―――それはちょうど政府が階差機関を見放した頃でもあるのですが―――彼は20年前にやりか…

Tit-Tat-To

「ターク」の虚実は、バベッジにとってそれほど切実な問題ではありませんでした。彼はそれよりもむしろ、自分なら実際に自動チェス人形を作ることができるかどうかという問題に興味を持ちます。バベッジが「ターク」に影響を受けてゲーム研究を始めたことを…

バベッジのゲームマシン (2)

バベッジが自動チェス人形「ターク」と対面したのも、やはりメルツェルによるイギリス巡業 (前回参照) においてでした。このときバベッジは28歳。王立協会の特別メンバーとして、さまざまな数学/物理学研究に勤しんでいた時期です。当時発表した論文のなかに…

機械は判断しない

19世紀初頭のイギリスでは、精巧なオートマトンに対して、単なる物珍しさ以上の関心が集まっていました。完成度の高い人形は、東インド会社を通して高値で中国に売り捌くことができたからです。ケンペレンの人形に対してこの国で一歩踏み込んだ研究がなされ…

メルツェルの象棋さし

バベッジが「ゲームをする機械」にこだわるようになった背景には、当時さかんに製造されていたオートマトンと呼ばれる精巧な自動人形たちの存在があります。あたかも生命あるもののように振舞う人形たちの姿は、少年期のバベッジに終生忘れえぬほどのインパ…

バベッジのゲームマシン (1)

コンピュータはゲームマシンとして使うことができる―――この事実に最初に気がついたのは、コンピュータの父チャールズ・バベッジその人でした。彼が解析機関というプログラミング可能な自動計算機を設計していたことは有名ですが、それとは別に解析機関の機構…

海外プラグ・アンド・プレイ機の販売動向

pnp

海外プラグ・アンド・プレイ機市場でどういうものが売れているのかは、もうひとつ把握しにくいわけですが、あちらでも市場動向を分析した資料なんかはまだ出てきていないようです。そこで試しにamazon.comの販売ランキングをリスト化してみました (Computer …

ATARI FLASHBACK 2.0 発売決定

昨年12月に、アタリのプラグ・アンド・プレイ復刻機「7800フラッシュバック・クラシック・ゲームコンソール」がちょっと苦戦気味な様子をお伝えしましたが、結局メインターゲットであるカジュアルゲーマー層にとって移植精度はたいした問題ではなかったらし…